最終更新日 2025年6月26日 by eliyeliy
「寝る前の歯磨き」が、実は睡眠の質にも影響するって知ってましたか?
こんにちは!
歯科衛生士として12年間、これまで延べ8,000人以上の方のお口の健康をサポートしてきました、予防歯科インストラクターの井上 佳奈です。
多くの方が「歯磨きは虫歯予防のため」と思っていますよね。
でも実は、お口の中の状態と体全体のリラックスモードには、深〜い関係があるんです。
この記事では、予防歯科の視点からこの意外な関係性をやさしく解説します。
習慣づけのコツや、私おすすめのアイテム選びのポイントも紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
一緒にチェックしましょう♪
なぜ「寝る前の歯磨き」が睡眠に関係するの?
「歯を磨くこと」と「眠ること」。
一見すると別々の行動ですが、私たちの体の中では密接につながっています。
お口の中と脳のリラックスの関係
私たちの体には、活動モードの「交感神経」と、リラックスモードの「副交感神経」があります。
質の良い睡眠のためには、この副交感神経を優位にすることが大切なんです。
実は、歯磨きの仕方がこのスイッチの切り替えに影響します。
- 強すぎる刺激:ゴシゴシと力任せに磨くと、歯茎への強い刺激が交感神経をオンにしてしまい、脳が「これから活動するぞ!」と勘違いしてしまうことがあります。
- 優しい刺激:逆に、やさしい力で丁寧にブラッシングすると、心地よい刺激が副交感神経を優位にし、心と体をリラックスモードへと導いてくれます。
つまり、歯磨きはやり方次第で、眠りの準備にもなれば、妨げにもなるということなんです。
就寝中の口腔環境と体の修復モード
私たちが眠っている間、お口の中ではある変化が起こります。
それは、唾液の分泌量がガクンと減ること。
唾液には、細菌の増殖を抑えたり、汚れを洗い流したりする自浄作用がありますが、睡眠中はそれが期待できません。
結果として、磨き残した汚れをエサに、細菌が爆発的に増殖してしまうんです。
体は、この増えすぎた細菌と戦うために、無意識のうちにエネルギーを使っています。
本来なら体の修復や回復に使われるはずの力が、お口の中の“火消し”に回されてしまうイメージですね。
寝る前の口内細菌が引き起こすプチストレスとは
就寝中に細菌が増殖し、体がそれと戦っている状態。
これって、実は体にとっては地味だけど確実な「プチストレス」なんです。
このプチストレスが、深い眠りを妨げ、睡眠の質をじわじわと下げてしまう可能性があります。
寝る前の歯磨きでしっかり細菌のエサを取り除くことは、体全体をしっかり休ませるための大切な準備運動なんですよ。
実はやりがち!睡眠を妨げるNG歯磨き習慣
「しっかり磨かなきゃ!」という気持ちが、かえって睡眠の妨げになっているかもしれません。
よくあるNG習慣を3つ、チェックしてみましょう。
ガシガシ磨きすぎて神経が興奮状態に…
汚れを落としたい一心で、歯ブラシにギュッと力を込めていませんか?
先ほどお話しした通り、強すぎる刺激は交感神経を活発にしてしまいます。
歯や歯茎を傷つける原因にもなるので、今日から「ガシガシ」磨きは卒業しましょう!
クール系歯みがき粉の“スースー刺激”が眠気を妨げる?
ミント系の歯磨き粉の爽快感、気持ちいいですよね。
でも、メントールなどの強い刺激成分は、脳をシャキッと覚醒させてしまうことがあります。
朝の歯磨きにはピッタリなんですが、夜は少し刺激がマイルドなものを選ぶのがおすすめです。
口すすぎすぎてフッ素が流れちゃう問題
歯磨きが終わった後、何回もブクブクうがいをしていませんか?
実はそれ、すごくもったいないんです!
歯磨き粉に含まれるフッ素には、歯を強くして虫歯を防ぐ大切な役割があります。
何度もすすいでしまうと、せっかくのフッ素が全部流れてしまいます。
【歯科衛生士のワンポイントアドバイス】
歯磨き後のすすぎは、ペットボトルのキャップ1〜2杯分(約15ml)の少ないお水で、1回だけにするのがベスト。
最初は物足りなく感じるかもしれませんが、これだけでフッ素の効果がグンと高まりますよ。
質のいい睡眠のために今夜からできる歯磨きのコツ
それでは、具体的にどうすればいいの?
今夜からすぐに実践できる、睡眠の質を高める歯磨きのコツをご紹介しますね。
1. シャカシャカ優しく、力を入れすぎない
歯ブラシは鉛筆を持つように軽く握るのがポイント。
ゴシゴシではなく、「シャカシャカ」と軽い音をさせるくらいの力加減で、歯を1本1本丁寧に磨きましょう。
私自身も矯正治療中に歯磨きが大変だった経験がありますが、優しい力で時間をかける方が、結果的に汚れはキレイに落ちるんです。
2. タイミングは「布団に入る20分前」が◎
歯磨きは、ベッドに入る直前よりも、少し前のタイミングで済ませておくのが理想です。
「布団に入る20分前」を目安にしてみてください。
歯磨きで少しだけ上がったかもしれない神経の興奮が落ち着き、スムーズにリラックスモードへ移行できますよ。
3. クルクルと歯間ケア!寝る前のフロスのすすめ
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは6割程度しか落とせません。
最も細菌が増える就寝前こそ、フロスの出番です。
フロスをプラスするだけで、汚れの除去率は8割以上にアップします。
面倒に感じるかもしれませんが、慣れれば1〜2分で終わります。
クルクルと優しく歯の側面に沿わせて、汚れをかき出しましょう。
4. 市販品レビュー:寝る前向け歯みがき粉&マウスウォッシュ
「じゃあ、どんな製品を選べばいいの?」という声にお応えして、歯科衛生士目線での選び方のポイントをまとめました。
目的・タイプ | 特徴 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
刺激ひかえめタイプ | ・低発泡、低香味 ・ジェル状のものが多い | ・強いミント味が苦手な人 ・じっくり丁寧に磨きたい人 |
殺菌成分配合タイプ | ・就寝中の細菌増殖を抑える成分(CPC, IPMP等)を配合 | ・朝起きた時の口のネバつきが気になる人 ・歯周病が心配な人 |
コーティングタイプ | ・歯の表面をツルツルにコーティングする成分を配合 | ・汚れや着色がつきやすい人 ・翌朝の口内をスッキリさせたい人 |
値段と効果のバランスを見ながら、ご自身の好みに合ったものを選んでみてくださいね。
寝る前歯磨き×睡眠改善チャレンジ
理論は分かったけど、本当に変わるの?と思いますよね。
そこで、私自身が1週間、この方法を徹底して試してみました!
実際にやってみた!1週間ルーティンと体感レポート
私の1週間チャレンジの体感はこんな感じでした。
- 1〜2日目:すすぎが1回なのが少し気になるけど、フロスのおかげか歯がツルツル!
- 3〜4日目:朝起きた時の口の中のネバつきが、明らかに減ってきたのを実感。
- 7日目:なんだか目覚めがスッキリする日が増えた気が…!歯磨きがリラックスタイムになってきた♪
劇的な変化!とまでは言いませんが、朝の口内の爽快感は確実に変わりました。
これがプチストレスの軽減につながっているんだな、と実感できましたよ。
SNS参加型「シャカシャカ睡眠習慣」企画のご案内
もしよかったら、あなたも一緒にチャレンジしてみませんか?
SNSで「#シャカシャカ睡眠習慣」のハッシュタグをつけて、あなたの体感や工夫をぜひシェアしてください!
私もコメントしにいきますね♪
読者Q&A:こんなときどうする?寝落ち・夜食後の歯みがき問題
Q1. 疲れて歯磨きせずに寝落ちしちゃいました…どうすれば?
A1. 大丈夫、そんな日もあります!人間だもの(笑)。翌朝、何かを口にする前に、すぐに歯磨きをしてください。寝ている間に増えた細菌を、朝食と一緒に飲み込んでしまうのを防ぐためです。自分を責めずに、また今日からリスタートしましょう!Q2. 寝る前にどうしてもお腹が空いて夜食を…。歯磨きはどうする?
A2. 夜食を食べたら、もう一度歯磨きするのがベストです。面倒かもしれませんが、食べかすを残したまま寝るのは、細菌に「どうぞ増えてください!」とエサをあげているのと同じこと。夜食後の歯磨きまでをワンセットと考えてみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、今日のポイントをもう一度おさらいしましょう。
- 寝る前の歯磨きは、やり方次第で睡眠の質に影響する。
- 強い刺激は脳を覚醒させ、優しい刺激はリラックスモードに導く。
- 就寝中の細菌増殖は体の「プチストレス」となり、眠りを妨げる原因に。
- 今夜からできるコツは「優しく磨く」「タイミングは就寝20分前」「フロスを使う」「すすぎは1回」
寝る前のたった5分の習慣が、翌朝のあなたの笑顔と元気を創り出します。
「続けられるケアこそ最強」
これが、私がいつもお伝えしていることです。
完璧じゃなくても大丈夫。
まずは今夜から、やさしいシャカシャカ歯磨き、試してみませんか?