最終更新日 2025年12月25日 by eliyeliy

こんにちは!歯科衛生士の井上佳奈です。

「矯正を始めたけど、装置の周りに食べカスが詰まって歯磨きが大変…」
「ちゃんと磨けているか不安…」

今、まさにそう感じていませんか?

実は何を隠そう、私自身も矯正治療の経験者。当時は歯磨きに本当に苦労して、「もうイヤ!」って何度も投げ出しそうになりました。でも、歯科衛生士としての知識と経験を総動員して、自分なりの「続けられる最強のセルフケア」を見つけ出したんです。

この記事では、そんな私のリアルな経験と、延べ8,000名の方にブラッシング指導をしてきたプロの視点を掛け合わせて、

  • 矯正中の正しい歯磨き方法
  • 本当に役立つセルフケアグッズの選び方
  • 面倒なケアを楽しく続けるためのコツ

を、あますところなくお伝えします!

この記事を読み終える頃には、あなたもきっと「これならできそう!」と、毎日のセルフケアに自信が持てるはず。一緒にチェックしていきましょう!

なぜ矯正中のセルフケアがこんなに大切なの?

「ちょっとくらい磨き残しがあっても大丈夫でしょ?」なんて思っていたら、実はとても危険なサイン。矯正装置がついているお口の中は、普段よりもずっと虫歯や歯周病になりやすい、いわば「汚れの温床」になりがちなんです。

実際、ある研究では、矯正装置をつけた後のお口の中の細菌(歯垢)は、なんと通常の2〜5倍に増えるとも言われています。装置の周りの複雑な形が、汚れの絶好の隠れ家になってしまうんですね。

もし矯正中に虫歯や歯周病になってしまうと、

  • 矯正治療を一時中断して、虫歯の治療を優先する必要がある
  • 結果的に、全体の治療期間が長引いてしまう
  • 最悪の場合、歯ぐきが下がってしまい、理想の歯並びにならないことも…

なんてことにもなりかねません。だからこそ、矯正治療をスムーズに進めて、理想の笑顔を手に入れるためには、毎日のセルフケアが何よりも大切なんです。

【タイプ別】あなたの矯正装置はどっち?セルフケアの基本

矯正治療とひと口に言っても、大きく分けて2つのタイプがあります。まずはご自身の装置タイプに合わせて、ケアの基本をチェックしましょう。

ワイヤー矯正(ブラケット矯正)の方

歯の表面に「ブラケット」という装置をつけて、ワイヤーで力をかける最も一般的な方法ですね。私もこのタイプでした!

  • 特徴:とにかく汚れがたまりやすい!特にブラケットの周りやワイヤーの下は、まさに“魔の三角地帯”。
  • ケアのポイント:歯ブラシ1本だけでは絶対に磨ききれません。「歯ブラシ+補助清掃具」の合わせ技が必須です。

マウスピース矯正(インビザラインなど)の方

透明なマウスピースを定期的に交換していく方法。取り外しができるのが大きなメリットですね。

  • 特徴:食事や歯磨きの時に外せるので、ケアは比較的ラク。ただし、マウスピース自体の清掃が重要になります。
  • ケアのポイント「歯のケア+マウスピースのケア」の二刀流を徹底しましょう。汚れたマウスピースを長時間つけっぱなしにすると、虫歯菌を歯にパックしているような状態になってしまいます。

【完全マニュアル】矯正中の歯磨き&セルフケア方法

お待たせしました!ここからは、私が実践してきたセルフケアの完全マニュアルを、具体的な手順で解説していきます。基本は「ワイヤー矯正」の方向けの解説になりますが、マウスピース矯正の方も歯の磨き方は同じなので、ぜひ参考にしてくださいね。

STEP1:歯ブラシ選びと基本の磨き方

まずは、毎日の歯磨きの主役、歯ブラシから。矯正中の歯ブラシ選びのポイントは「ヘッドが小さく、毛が柔らかいもの」を選ぶこと。ゴシゴシ強く磨くのは、歯ぐきを傷つけるだけなので絶対にNGです!

歯ブラシの持ち方と動かし方

歯ブラシはグーで握るのではなく、鉛筆を持つように軽く持ちます。そして、1本ずつ、軽い力で「シャカシャカ」と小刻みに動かすのが基本。鏡を見ながら、ブラシの毛先がちゃんと当たっているか確認しながら磨きましょう。

部位別!磨き方のコツ

磨く場所磨き方のコツポイント
ブラケットの周り歯ブラシを斜め45度にあて、ブラケットを包み込むように「クルクル」と円を描くように磨きます。上から、下から、斜めから、色々な角度で毛先を届かせるのが大事!
ワイヤーの上と下歯ブラシを斜めにして、ワイヤーのすき間に毛先を入れ込むように磨きます。特に汚れがたまりやすい場所。意識して丁寧に!
歯と歯ぐきの境目ここも斜め45度が基本。歯周ポケットに毛先をそっと入れて、優しくかき出すように。歯肉炎予防の最重要ポイントです。
前歯の裏側歯ブラシをにして、「かかと」の部分を使って1本ずつかき出すように磨きます。意外と磨き残しが多い場所なので要注意!

STEP2:補助清掃具を使いこなそう!

ワイヤー矯正の場合、歯ブラシだけでは6割程度しか汚れが落ちないと言われています。残りの4割を落とすために、以下の「三種の神器」を必ず投入しましょう!

① タフトブラシ(ワンタフトブラシ)

毛束がひとつになった、鉛筆のような形の小さなブラシです。これが本当に優秀!

  • 得意な場所:ブラケットの周り、一番奥の歯の後ろ側、歯が重なっている部分など、普通の歯ブラシが届かない細かい場所にピンポイントで届きます。
  • 使い方:汚れを狙って、軽い力で「ちょんちょん」とタッチするように磨きます。

② 歯間ブラシ

ワイヤーの下をくぐらせて、歯と歯の間を磨くためのブラシです。

  • 得意な場所:ワイヤーの下、ブラケットと歯の間のすき間。
  • 使い方:無理にねじ込まず、スッと入るサイズのものを使いましょう。ワイヤーの下にそっと通して、前後に数回動かします。

③ デンタルフロス

歯と歯が接している面は、歯間ブラシでも磨けません。ここはフロスの出番です。

  • 得意な場所:歯と歯が隣り合っている面。
  • 使い方:「フロススレッダー」という糸通しのような補助具を使うと、ワイヤーの下に簡単にフロスを通せます。面倒でも、1日1回は必ず行いましょう!

STEP3:仕上げは「フッ素」で鉄壁ガード!

しっかり汚れを落としたら、最後の仕上げです。矯正中の虫歯予防の切り札は、なんといっても「フッ素」!フッ素には、歯の質を強くして、虫歯菌が出す酸に負けない歯を作る働きがあります。

フッ素配合歯磨き剤の選び方

ポイントは「高濃度フッ素(1450ppm)」と書かれた製品を選ぶこと。現在、市販されている歯磨き粉のフッ素濃度は1500ppmが上限なので、できるだけ濃度の高いものを選ぶのが効率的です。

種類特徴おすすめシーン
ペーストタイプ泡立ちが良く、爽快感がある。朝や昼の歯磨きに。
ジェルタイプ研磨剤無配合で泡立ちが少ない。フッ素が歯に留まりやすい。夜の就寝前の集中ケアに。

フッ素洗口液の併用もおすすめ

歯磨きの後に、フッ素洗口液でブクブクうがいをするのも非常に効果的です。液体なので、歯ブラシが届きにくい場所にもフッ素を行き渡らせることができます。特に、夜寝る前に行うと、寝ている間にフッ素がじっくり働いてくれるのでおすすめです。

【歯科衛生士が本音レビュー】目的別・市販品セレクト

「色々ありすぎて、結局どれを選べばいいの?」という方のために、私が実際に使ってみて「これはイイ!」と思った市販品を、目的別に厳選してご紹介します。値段と効果のバランスも評価してみました!

目的おすすめ製品特徴コスパ評価
とにかく虫歯予防!ライオン クリニカアドバンテージ高濃度フッ素1450ppm。独自の「高密着フッ素処方」でフッ素が長く留まる。★★★★★
歯ぐきの腫れが気になるライオン システマEXハミガキ殺菌成分IPMPが歯周ポケットの奥まで浸透。歯肉炎を予防。★★★★☆
着色汚れを防ぎたいGC ルシェロ歯みがきペースト ホワイト弱アルカリ性でステインを浮かせて除去。低研磨性で歯に優しい。★★★☆☆
夜の集中ケアにライオン Check-Up gel研磨剤無配合のジェルタイプ。フッ素がすみずみまで広がりやすい。★★★★☆
最強の殺菌効果を求めるならウエルテック コンクールF(洗口液)高い殺菌力を持つ成分配合。虫歯・歯周病・口臭予防に。★★★★☆

※これはあくまで私個人の見解です。ドラッグストアなどで手軽に購入できるものの中から選んでみました。

やりがち!矯正中のNGセルフケア

良かれと思ってやっていることが、実は逆効果になっていることも…。ここでNG例をチェックしておきましょう。

  • NG①:硬い歯ブラシでゴシゴシ磨き
    → 歯や歯ぐき、矯正装置を傷つけるだけ!「優しく、丁寧に」が鉄則です。
  • NG②:歯磨き粉のつけすぎ
    → 泡立ちすぎて、磨けた気分になるだけで、実際は磨き残しだらけに…。「低発泡」のものがおすすめです。
  • NG③:歯間ブラシのサイズが合っていない
    → 無理に使うと歯ぐきを傷つけます。スムーズに入るサイズを選び、分からなければ歯医者さんで相談しましょう。

よくある質問 Q&A

Q1. 歯磨きは1日に何回すればいいですか?

A1. 理想は「毎食後すぐ」です。難しい場合でも、最低でも朝と夜(就寝前)の2回は、時間をかけて丁寧にケアしましょう。日中、歯磨きができない時は、ブクブクうがいをするだけでも違いますよ!

Q2. 外出先でのケアはどうすればいい?

A2. 携帯用の歯ブラシセットを持ち歩くのがベストですが、難しい場合は「タフトブラシ」と「フッ素洗口液」だけでも持っておくと安心です。サッとケアできるお気に入りのグッズを見つけてみてください。

Q3. ケアが面倒で続きません…

A3. とってもよく分かります!だからこそ、「続けられるケアこそ最強」なんです。全部完璧にやろうとせず、「今日はフロスだけ頑張る」「週末はしっかりフルコースでケアする」など、自分なりのルールを作るのがおすすめです。好きな音楽を聴きながら、ドラマを見ながらの「ながら磨き」も良い気分転換になりますよ。

まとめ

今回は、矯正中のセルフケアについて、私の経験も交えながら徹底解説しました。

  • 矯正中は虫歯・歯周病リスクが格段にアップする!
  • 歯ブラシ1本では不十分。「補助清掃具」を必ず使おう!
  • 最後の砦は「フッ素」。高濃度フッ素の歯磨き剤や洗口液を味方につけよう!
  • 完璧じゃなくてOK!「続けられる」自分なりのケアを見つけよう!

矯正治療は、長い道のりです。でも、毎日のちょっとしたケアの積み重ねが、数年後のあなたの最高の笑顔を作ります。大変なのは、あなた一人じゃありません。私もそうでした。

ぜひ、この記事を「お守り」代わりにして、毎日のセルフケアを乗り切ってくださいね。応援しています!

出典

本記事の執筆にあたり、以下の情報を参考にいたしました。

  1. 矯正歯科治療中のケア方法|歯と口の健康研究室
  2. 矯正治療中の歯のクリーニングの4つのポイント【セルフケア】
  3. 歯列矯正中のセルフケアの重要性と効果的な方法
  4. 矯正中の歯磨きなどのセルフケアはどうすべき?歯医者が解説!
  5. 矯正装置があると歯磨きが大変?正しいケア方法とNG行動を紹介
  6. 渋谷で歯科医が解説!矯正・インプラント治療中にオススメの歯磨き粉6選とケアのポイント
  7. 矯正治療中はどんな歯磨き粉を使うのがおすすめ?